設計スタッフの木村嘉之です。
今日は水郷祭ですね。
今日も暑い中、モデルハウスにお越し頂きましてありがとうございました。
久々にブログを書きます。
マニアックな話ですので、興味のない方は飛ばしてください。。。。。
私は建築の意匠設計をしておりますが、昔は構造解析が専門でした。
タイヤ・ゴム(粘弾性体)の物理現象を中心としたCAEに従事しておりました。
ので、昔の経験も取り入れた話をします。
弊社で取り扱うSE構法(https://www.ncn-se.co.jp/se/)は
計算は勿論、使用する材料も全て(株)NCNが品質を担保し供給されます。
出西モデルハウスは、SE構法を利用しております。
当然、耐震等級3耐風等級2ですが
許容応力度計算(ルート1、建築基準法施行令第82条の6第一号)ではありません。
SE構法は、許容応力度”等”計算(ルート2、建築基準法施行令第82条の6)となります。
何が違うのかといいますと
ルート1の検討項目(壁量・壁バランス・水平構面・柱の座屈・接合部検討・横架材検討・基礎検討)に加えて
ルート2は、偏心率・剛性率・層間変形角の検討も加えて行う為、許容応力度計算(ルート1)より
安全性が高く厳しめの計算方法になります。
ちなみにルート2は、鉄骨造4階以上の計算に利用されます。
また、SE構法の基礎の構造計算は有限要素法(FEM)を使用します。
建物基礎のFE解析は経験がありませんが計算手法は同じなので、、、
FEMは偏微分方程式の近似解を得る手法なんですが
興味のある方はGoogle先生にお手数ですが尋ねてください。
SE構法以外では、建物基礎の構造計算を行う際は
基礎梁に梁の力学モデルを適用し、断面検討(許容応力度の照査)を行います。
基礎梁1本1本に作用する荷重を拾い、断面検討を行っていきます。
FEMは、基礎全体を要素(メッシュ)で分割し、計算モデルを作成しますので
基礎梁1本1本の応力状態もですが、建物基礎全体の変形・応力を見ることができます。
例えば、基礎スラブの局所的に応力が高い場所を鉄筋ピッチを細かく補強した場合の
全体の各部分の応力状態がどうなるかといったことも検討が容易に可能です。
計算値は、梁の力学モデルとFE解析と厳密には一致しませんが、ほぼ近い値となるはずです。
が、前者で同じことをしようと思うと、かなり面倒と思います。
私がタイヤのFE解析をしていた際は10万要素くらいにメッシュ分割をしていました。
建物基礎はどの程度なんでしょうね。
タイヤは複合材料の粘弾性体で、非線形弾性体を扱うので計算は難しいのですが
建物基礎は、線形解析ですし、計算自体は難しくないかなと想像しますが。。。。
どうでしょうね。
私を含めて、弊社にいろいろな経験を持った個性的な人間がいるので
打合せの際に聞いてみて頂けると、面白いかもしれません。